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「断捨離」ではなく「衣替え」を。

  • 4月2日
  • 読了時間: 2分



クローゼットの扉を開けて空気を入れ替える。

季節の移ろいに合わせて装いを変える。



「衣替え」 そのルーツは平安時代の宮廷行事である「衣更(ころもがえ)」に遡ります。

当時は単なるワードローブの入れ替えではなく、自然のサイクルに合わせて身を清め、新しい季節の始まりを寿(ことほ)ぐ=祝う神聖な儀式でした。



一方で欧米には社会が一斉に動く「衣替え」という文化はなく、その日の気温や気分によって手持ちの服を合理的に選んでいく。



現代の私たちは、この「伝統的な季節」と「自由で合理的な選択」の両方を贅沢に楽しむことができます。



最近では、衣替えという文化が少し薄れ、「断捨離」という言葉をよく耳にするようになりました。 本来、ヨガの教えに由来するこの言葉は「執着を手放す」ためのもの。けれど、最近はメディアの影響もあり、ただ「捨てるための作業」になってしまっているようで、少し寂しい気もしています。



日本には、四季を味わうという豊かな感性があります。


季節の変わり目に、安易に何かを手放すのではなく、今手元にあるものと改めて向き合い直す。そんな衣替えがあってもいいのではないでしょうか。。




欧米にはこんな考え方もあります。


「私は貧乏だから、安い靴は履かない」


安価なものを使い捨てるのではなく、上質なものを手入れして、修理を重ね、

20年、30年と長く着続ける。


それは結果的に合理的であると同時に、

時間を重ねるほどに、人生を豊かにしてくれる選択でもあります。


一年先、さらにその先へと、静かに時間を渡していく。


そうした循環の感覚は、現代のSDGsという言葉よりもずっと前から、

私たちの中にあったものなのかもしれません。



今回の衣替えを、ただ効率よく終わらせる「作業」にするのではなく、

一着一着と向き合い、そこに宿る時間や記憶に触れるひとときにしてみる。



そんな過ごし方も、きっと悪くないはずです。





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